白いドレス
印象派の巨匠 オーギュスト・ルノワールの「街の踊り」に出てくる白いドレスをまとった美しい女性。
ふくよかな背中のラインの白い肌が、なんともいえない色香をかもし出している。
円舞曲が聴こえてくるような絵だ。
このモデルの女性は、ユトリロの母だ。
ユトリロは、数々の男性と浮名を流した母の私生児として産まれた。
自分の父が誰かわからぬ不安と、変わらぬ母の奔放な男性遍歴に、
10代のうちに、アルコール中毒になり、その治療のために絵を描き始めたと言われている。
ユトリロが描き続けた白の世界。
モンマルトルの同じ場所、同じ建物を、白の質感に細かくこだわりながら、
描き続けた。
何度も書いているが、白は浄化の色。
日本でも、自分にマイナスの「気」が入ったときは、白い粗塩で清めますよね。
自分の出生も、アルコール中毒の自分も、
すべてを浄化して、再生したかったに違いない。
そして、求め続けたのは、母の愛であった。
偶然にも、ユトリロが生まれる前に描かれた「街の踊り」で、
踊るユトリロの母は白いドレスを着ている。
ユトリロが描き続けた白は、母のあの白いドレスそのものだったのかもしれないね。
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